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TOKYO COLLECTION
東京コレクション
往来には物売りの声。呉服店には色とりどりの着物・反物。話題の浄瑠璃や歌舞伎に押し寄せる人・人・人。パリ、ロンドンをしのぐ世界一の人口過密都市だった江戸の街。人・もの・技術が集い、街なかから文化が花開きました。ファッションも芸能も、最先端は江戸から生まれます。江戸っ子は「当世風」を愛する新しいもの好き。旬の歌舞伎役者から着物の柄の番付、はやりの化粧の仕方まで、人々は浮世絵を通して「当世風」を追いかけました。
熱狂に応えるように成熟していったのが、職人文化です。髪を飾る櫛やかんざしは、べっ甲・象牙・金・銀と素材の贅を極め、ガラス製も登場。印籠や煙草入れなどの提げ物を腰に留める根付には、花鳥風月から故事ことわざまで、遊び心のある意匠があしらわれました。人々はものに込められた、わかる人にだけわかる文脈に「いき」を感じます。近づいた時にはじめて柄に気づく細緻な小紋が人気を博し、紐は結び方や色合わせ次第で意味を変えました。そうした機微を見分け世情にも人情にもよく通じる「通」が憧れの的。世の流行や互いの教養を土台に、ものを介した暗黙のコミュニケーションを楽しんでいたのです。身につけるものひとつに個性を競い、支える職人技術は洗練を極め、また新たな流行を生んでいきました。
江戸から東京へ。百花繚乱の都市文化は、切子に組紐、受け継がれた数多の工芸の中に脈打ちます。一見それとわからない細部にこそ遊び心と技を尽くして、「当世風」を生み続けるこの街らしいコレクションを提案します。
東京都が実施している令和5年度 Buy TOKYO推進活動支援事業に、東京の特色ある優れた商品(東京都産品)として採択を受けました。 東京都産品として採択された品は、TOKYO COLLECTIONの菅灯 吊・菅灯 置・おぼろの3点です。
Buy TOKYO事業のウエブサイトにも掲載されておりますので、どうぞご覧ください。
【Buy TOKYO事業】https://buy-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/
MANUFACTURE
龍工房
Ryukobo
家業として130余年、現代の名工・福田隆のもと、日本橋にて組紐を製造する職人集団。着物の帯締としての組紐をつくり、絹糸の染色、デザイン、組みまでを一貫製造できる数少ない作り手で、梨園、茶道界からの支持も厚い。皇室の帯締から海外メゾンとのコラボまで幅広く手掛け、常に新たな組紐の可能性を追求する。
清水硝子
Shimizu Glass
1923年創業、今年100周年を迎える江戸切子工房。戦前から続く工房は珍しく、長年大手ガラス食器メーカーの生産に協力し、カット研磨技術を磨いてきた。近年は自社製品の開発、建材やアクセサリーへの江戸切子活用など、食器に留まらないものづくりを行う。東京スカイツリー®のエレベーター壁面の装飾パーツも手掛けた。