4. 技術を売る

「この素晴らしい技術を、最先端の空間へとインストールできないだろうか」

高岡で生まれたこの仮説を、実際に形にする機会がやってきた。「技術を売る」というコンセプトのもと、高岡市デザイン工芸センターの公式事業として、「HiHill」というプロジェクトが始動したのである。

そこで私が担ったのは、ディレクターという立場だった。もう一人のディレクターを務めたのが、インダストリアルデザイナーの安次富隆さんだった。物事の本質を見抜き、恐れることなく行動に移せる人物である。フォーカスすべきは仏具や茶道具といった「商品」ではなく、職人が持つ「技術」そのものだった。

完成した商品を並べるのではなく、まず職人の技術そのものを建築家やインテリアデザイナーに晒す。家具なのか内装材なのか、何になるかは分からないが、そこで集まった要望に応じてかたちにしていく。順序を逆転させる試みだった。

そのために、まず職人の仕事を「見える化」する必要があった。漆、鋳物の着色、硝子——それぞれの職人の技術を、12センチ角のサンプル板の上に表現してもらった。手のひらに収まる小さな板の上に、何百年と磨かれてきた技術が凝縮されている。出来上がった200種にも及ぶマテリアルサンプルは、壮観だった。

あとは、これを誰に見せるかだ。カッシーナ時代に培った人脈を頼りに、私がそのサンプルを預かり、東京の建築家やインテリアデザイナーへの認知を図ることを目論んだ。

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