合わせと見立て

平安の貴族たちは「合わせ」ることを遊びにした。貝合わせ、香合わせ、歌合わせ、百人一首——二つのものを取り合わせ、その妙を競い楽しむ。優劣を決めるのではなく、組み合わせそのものに美を見出す、

AMUAMIの照明「絹合わせ」は、その名の通り、絹と絹を合わせた。

シェードは長野・岡谷の特殊な機械で、300個以上の繭から6000mもの糸を巻き上げてつくる世にも珍しい一品だ。やわらかな光をまとうこの球体と合わせるには、それにふさわしい相手が必要だった。行き着いたのが真田紐。「世界一細い織物」とも言われる絹の紐で、武具や茶道具の紐として長く愛されてきた。

ただし、真田紐をそのままの用途では使わなかった。本来の役割から逸脱させ、空洞になった構造を活かしてフレームに着せた。これが「見立て」だ。AをBとして扱う。真田紐を紐としてではなく、骨格を包む衣として「見立て」る。用途を外れた瞬間に、新しい美が立ち上がる。

丸いシェードに3本足。イサムノグチの照明は我々にとってあまりに偉大だ。しかしその系譜には入りたくなかった。絹と絹の合わせ、そして見立てという方法——それがAMUAMIらしい答えだった。

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